• 1998.11.08
    PRESS RELEASE MEMO 98/11/09


    プレスリリースメモ

    全日空乗員組合

    PRESS RELEASE MEMO 98/11/09


    ■全日空における安全問題について

     全日空乗員組合は、最近の「整備品質」の問題について見解を明らかにします。

    ◇見解◇

     一連の「整備品質」を巡る不適切な事例の発生について、全日空乗員組合は次のように考えます

    1.今回報道された4件の事例については、航空会社の信頼を損ねる問題でありこうしたことが発生したことは極めて遺憾なことと考えます。
    2.全日空経営者は、この数年「大競争時代だ」「生き残りだ」といって、整備人員を極限にまで減らし「飛行間点検の整備士1名化」「機材稼働を10%上げる」「整備のために動かなくなる機数を減らす(整備控除機数の見直し)」「予備機の原則廃止」「ステイタイム(地上での航空機滞留時間)の短縮」「(整備を含めた)全ての職場の少数精鋭化」という施策を強行に進めてきたのです。

     乗員組合は、それぞれの事例の背景には共通してこうした経営方針によって作り出された「部品がない」「時間がない」「人がいない(整備士の数が少ない)」という問題があると考えています。

    3.乗員組合はこうしたことを危惧し長年「安全に関わる要求」を経営者に提出し経営方針を改めるよう求めてきましたが、経営者は方針を変えませんでした。

    4.このような状況で、現場乗員からは「整備が信頼できない」「このような運航をしていたら危ない」という声が多く出されるにいたり、今回年末闘争では、「少なくとも航空法を守った整備を確実に行うこと」というような要求を出さざるを得ない状況になっていたのです。こうした現場からの警鐘を事実上無視し続けてきた経営者の責任は免れないと考えます。

    5.乗員組合は、経営者が航空会社を経営しているという自覚をもった経営に改めることがこうした事例の再発防止に何より必要なことと考えています。

    6.同時に、このような運航の安全に影響を及ぼすような経費の削減が「競争促進」のもとに進められて、これを運輸省が追認してきたことを考えれば、他社についても同様な問題が発生する、あるいは発生している可能性が高いと考えます。こうした事態は直ちに改められるべきと考えます。

    7.こうしたことから乗員組合は、今後出される再発防止策が「不安全な運航環境」に手を着けない場当たり的なものであれば、必ず再発すると考えます。そうした点で我々は今後の対策を厳しく監視し、必要な追及を行う決意でいます。



    <参考=4件の事例について(概要)>

    上海の事例:今年6月、上海で全日空が整備受託をしているアンセット航空B767のブレーキ不具合に対し、飛んできた全日空のB767のブレーキの正常なパーツを外し不具合のあるパーツを全日空機につけかえ、MELを適用した。規定違反は無いが航空会社としてモラルを問われる問題。
    MEL:運用許容基準=最低装備数

    ホノルルの事例:今年8月、「VS INDICATOR」不作動でMELの適用除外でありながら整備サイド(組織)の不適切な解釈で就航。委託先のUALの整備士は「飛べない」と判断したが、全日空の整備がこれをオーバーライドし、就航可能とした。
    「VS INDICATOR」:昇降計

    フライト10便の事例:今年8月、B747-400が出発時エンジンスタート直後「>BAT APU DISCH」メッセージが現れたが、整備は「出発問題無し」と機長にアドバイスし出発要請をした。これは「NO
    GO(出発させてはならない)ITEM」であった。結果、太平洋上空でAPU BATTERYがDISCHERGEして、着陸時、全てのエンジンリバース不作動、AUTOスポイラー不作動、オートブレーキも使用できず、などの安全運航上重大な結果を招いた。上空での整備のアドバイスも不適切であった。

    シンガポール線の事例:今年10月関西空港~シンガポール~関西空港に就航したB747-200のTAIL NAVIGATION
    LIGHTが不作動のままであった。もともと、MELによって飛行の可否を検討する対象ともならない機体状況であったにもかかわらずこれを就航機材として整備がリリース(出発可能と)してしまったことが問題とされる。



    <参考資料「『経営危機』への提言」98/5/19提出>



    ■全日空乗員組合の紹介

    代表者:組合長 石飛 明夫

    組合員数:1568名(1998年11月1日現在)

    組織:本部は東京都羽田空港内。支部として大阪がある。全日空、NCA(日本貨物航空)に働く機長、副操縦士、航空機関士等で組織されています。

    ■連絡先:TEL03-5757-3870(代表) FAX:3875

    ■HOME PAGEはhttp://www.aca.jpです。

    以上


    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association